近年、よく耳にする「DXソリューション」。
その定義や目的、活かす技術は企業によってさまざま。
そこで今回はORLABが考える「DXソリューション」について事例を交えながらお伝えしていきます。
企業におけるDXとは企業活動をデジタル技術を積極的に活用することにより情報を可視化し、分析結果をリアルタイムな意思決定に使うことで結果として行動を効率化できるようにすることです。
DXを実現するための3つの自動化
1、入力の多様化と自動化
データ入力の自動化とは、人に代わって機械がデータを入力することです。
「AI」を使えば、マイク、カメラ、スキャナといった入出力デバイスから音声や手書きの文字を自動的にテキストデータにできるので、入力の手間は省けます。
モノをインターネットにつなげる「IoT」を導入することでセンサーから取得したデータを自動で入力、リアルタイムに可視化することが可能です。
製造機械の稼働状況、従業員の動きといったモノのデータを温度、照度、振動、GPSなど各種センサーで取得し、それをIoTデバイスでクラウド上に蓄積します。
事例1:入力の多様化と自動化によるサービスの向上
【コールセンター業務支援】
あるコールセンターでは自動化を導入しコールセンターの電話対応業務に採り入れ、オペレーターの負担軽減とサービス向上に取り組んでいます。
活用しているのはディープラーニングによって音声の特徴を認識し、発話内容をテキストに書き起こす機能と、問い合わせ内容から情報を抽出し、関連する文書を呼び出す機能。
これにより、オペレーターが膨大なマニュアルの中から答えを探し出す必要がなくなる、新人の習熟時間の短縮につながる、電話を保留にして消費者を待たせなくて済むなどのメリットが見込めます。
2、分析の自動化
DXの実現には、加速度的に増大するデータの分析、活用が欠かせません。
膨大なデータの処理や分析は人間にはもはや不可能、そこで活躍するのがAIです。AIは自動的に継続的な学習を通じて、より多くの、より深いデータを分析します。
自律性と適応性の特徴を持つAIは、高度な正確性と俊敏性を達成でき、さまざまな業界や用途ですでに活用されています。
事例2:AIによる分析の自動化
【AIによる診療データベースの分析】
日本最大級の診療データベースは2008年から運用スタートし、年を追うごとにデータ量が増加してきました。
データベースのレコード件数は80億件を越え、増え続ける膨大な量の患者データとそれに紐づく診療データを抽出、分析できるのはもはやAIです。AIの分析機能を活用し、病状が発症するリスクが高い患者を検出し、検出するデータを基に評価することができるようになりました。
3、判断の自動化
判断の自動化を実現することで、業務プロセスの中で発生する、判定、承認、管理、問題検知など、人の判断が必要な高度な意思決定を含む業務プロセスの自動化を実現できます。
これにより、意思決定における属人性をなくし、判断ミスを防ぐとともに、効率的かつ最適な意思決定が可能になります。
それでは、意思決定モデルの自動化を支えるAIについて話しましょう。
事例3:判断の自動化、意思決定モデル①
【自動車の自動販売機】
2018年中国最大のECモール「T-mall」を運営するアリババは、アルファロメオの新車350台を、33秒で完売しました。これにはからくりがありました。アリババは、自社のECサイトを利用する約5億人のアクティブユーザーを対象に、その購買履歴やサイト上の行動履歴といったデータをAIで分析し、潜在的なユーザー層を抽出し、アルファロメオのクルマが中国でも発売されることを知らせるメールを送信しました。このようにAIを利用することで、マーケティングの面倒なプロセスが不要になり、ボタン一つで秒単位で判断を自動化できるようになりました。
事例4:判断の自動化、意思決定モデル②
【書類チェックの自動化】
業務の効率化による労働時間の短縮や労働生産性の向上は、経営課題の1つです。ホワイトカラーの仕事は単純ではなく、手を動かして作業をしながら、判断、計算、選択など様々なことを頭で考えています。こうした「意思決定の自動化」を実現することが業務効率化を達成するうえで重要です。例えば、金融機関や保険会社における審査や窓口業務における書類のチェックは、すべて人の判断に頼っていました。この人の判断をモデル化しAIに置き換えることで、業務プロセスが自動化できるようになります。
4、まとめ
DXでビジネスプロセスの自動化が重要な理由:
多くの人手や時間を費やしている定型/反復/大量の間接業務を効率化・自動化し、機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野に注力することができます。
DXの推進・実現に向けて取り組むべき課題はAI、IoT、Cloudなどのテクノロジーを駆使して業務プロセスの自動化を進めていくこと、そして適切なテクノロジーを選択することです。
ORLABではお客様に最適なDXソリューションを提案致します。